刑事事件
刑事事件における弁護士の選び方
1 弁護士が考える弁護人の選び方
刑事事件において弁護人を誰にするかは、結果が変わってくる可能性を含め大変重要です。
弁護士はその養成課程において必ず刑事弁護につき学び実際の事件処理を体験するので、どの弁護士でも最低限は対応可能なはずですが、弁護士になった後刑事事件から離れる弁護士も多いため(緊急対応が必要となり、他の事件の処理と両立しにくいことがあるなど)、弁護士歴が長くとも刑事事件については詳しくない方もいらっしゃいます。
また、弁護士歴は短いものの前職が検察官など刑事手続に深く関わる立場であったために、弁護士だけのキャリアの方より弁護活動に詳しい方もおいでです。
いろいろな経歴の弁護士がいる中で自分が問われている刑事責任への対処が上手そうな方を見つけ出すためには、まず主要な業務の中に刑事弁護が含まれていて、過去の経歴や携わった事件について具体的エピソードを紹介しておられる方を探すのが第一といえるでしょう。
2 専門家を選ぶことはベストか
多くの弁護士は債務整理など他の業務と並行して刑事弁護をこなしていますが、中には刑事弁護のみあるいは刑事弁護中心に受任して専門家を自任する方もおいでです。
一般的には、刑事事件をたくさん処理し、経験を積んだ方がより良い弁護活動をすることができると考えることもできるでしょう。
ですが、そうした経験豊かな弁護士の元には、重大な事件、手間のかかる案件が集まりやすく、一つ一つの事件に割くことのできる労力や時間は限られるかもしれません。
あるいは、受任数を絞る代わりに一件毎の報酬を多めにしていることもあります。
また、元検察官等の特別な経歴をお持ちの弁護士は、刑事手続を異なる立場で経験した強みがありますから、弁護士の立場だけ見てきた方とは異なる事件の進め方をし、依頼者により有利な結果をもたらせる可能性があるでしょう。
しかし一面では、過去の経験を大事にするあまり弁護士としての立ち回り方や実務の変化に対応することが後回しになってしまう方もいるかもしれません。
こうした弁護士ごとの特質は、ウェブ上の情報では把握できないことも多くありますから、弁護を依頼する際には(委任のルール上必須ではないとはいえ)直接お話をし、その人となりに触れてから決められるのがよいでしょう。